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熱膨張係数

 

 アルミナ99.5% φ300が常温から20℃温度があがると、直径寸法の伸びは?

 300(mm)×6.5×10−6(熱膨張係数)×20(℃)=0.039mm=39μm

 

 では仮にこれを拘束したとすれば、どれだけの力(応力)が発生するのか?

 

 σ=εE σ;応力Kg/mm2 ε;歪(伸び量)=0.039mm/300mm E;ヤング率 (350GPa)

 σ=0.039mm/300mm×350×9.807×103=446Kg/mm2=44.5MPa

 

 熱膨張係数の違う素材を組み合わせる場合、割れが発生することがある。その原因の多くは熱膨張差により応力が発生し、応力に耐え切れずに割れる。セラミックスの場合は圧縮応力に強く、引張応力に弱いため、なるべく圧縮応力がかかる形で設計することが望まれる。

 

 金属や樹脂の場合は素材自身が変形(塑性変形)することで割れが生じにくいが、セラミックスはヤング率(剛性)が高いことと、変形し難いことで、他の素材に比較して割れが生じやすい。

 

 同様に、ヒートショック(熱衝撃)による割れも、上にあげた方法で説明することができる。

 

 

熱衝撃;

 

 熱衝撃とは急加熱(急熱)、あるいは急冷却(急冷)することを言う。熱衝撃を加えることで起こるのが内部応力。熱の伝播には時間がかかり、その為内部に応力が発生する。その応力が短時間に起こることで、あたかも殴られたような状態になるので、熱衝撃と言う。

 熱衝撃をアルミナ99.5%を例に取り、見てみよう。

 

  仮にφ300×30mmの円盤があり、表面から均等に熱を加え表面が200℃になった時、裏面は100℃であるとする。

  表面と裏面の温度差=△100℃ その場合に発生する応力は、

 

  ε=6.5×10−6(熱膨張係数)×100(℃)=6.5×10−4mm=0.00065mm

  σ=εE σ;応力Kg/mm2 ε;歪(伸び量)mm E;ヤング率

  σ=0.00065×350×103=227.5MPa 

 

  アルミナ99.5%の曲げ強度=340MPa 引張強度はこれの1/3と仮定すれば114MPa

  従って、これだけの温度差が生じると割れる可能性が高いと言える。

 

  いずれにしても、温度差と熱膨張で熱衝撃は発生し、割れが発生する可能性がある。

  セラミックスの耐熱を熱衝撃(温度勾配、温度差)には注意したいものである。